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猫とウサギと釣りのブログ

ウサギの親子に育てられた猫とウサギの親子と筆者の趣味の釣りに関するブログです(たまに自動車関係の記事あり)

 
Category: その他  

電柱に救われた命「気がついたら上にいた」

岩手県宮古市のコンビニエンスストア経営、石曽根(いしそね)長福(ちょうふく)さん(57)は3月11日、市内で津波に襲われ、間一髪のところで近くの電柱によじ登り難を逃れた。

とっさの行動をたたえられることもあるが「津波のことは早く忘れたい」。

心の傷は癒えていない。

大地震が発生した時、石曽根さんは軽トラックを運転して友人の家へ向かう途中だった。

自宅に引き返して被害がないことを確認すると、市内で経営するコンビニの状況を確認しようと車を走らせた。

宮古市役所前を通り過ぎた時、約100メートル先の海に黒い津波が押し寄せるのが見えた。

あわてて車をUターンさせたが、津波は一気に流れ込み、車は道路に満ちた水でふわりと浮いた。

何度キーを回してもエンジンがかからない。

車から飛び降り、走って逃げようとしたが、既に水はひざの高さまであり、転倒して全身がずぶぬれになった。

前方に見えた電柱にしがみつき、必死で登った。

「どうやって登ったかは記憶がない。気がついたら上にいたんです」。

地上から約5メートルの所で両手で電線をつかみ、両足を信号機のセンサー棒の上に乗せていた。

船、がれき、車、木材……。

眼下に、とぎれもなく押し寄せた。

車が電柱にぶつかり、衝撃でぐらぐら揺れた。

目の前の別の電柱は大きく傾いていた。

全身がぬれ、寒さと恐怖で体が震えた。

「生きろ!」。

50メートルほど離れた市役所分庁舎の屋上から声がした。

3時間ほどたっても救助はなく、日が暮れ始めた。

石曽根さんは電柱を下り、泳いで市役所分庁舎に向かうことにした。

体が冷え切っていたのか、水の中は暖かかった。

分庁舎3階にある会議室にたどり着き、立ち上がって自分の体重を感じた時、初めて「助かった」と感じた。

「電柱に登って助かった人だべ」

震災後、近くの居酒屋に行くと、周りにそう言われるようになった。

しかし、もし車を降りる時間が遅れたら、目の前に電柱がなかったら、電柱が倒れていたら……そう考えると、生き延びたのは運が良かっただけとしか思えない。

震災後、酒量が倍増し、倒れるまで飲むようになったという。

「あの時の恐怖は味わった人にしか分からない。人間の防衛本能なのかなあ。最近は当時のことを思い出さないようになりました」

(毎日新聞)

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大塚幸一

Koichi Otsuka

Author:Koichi Otsuka
犬派なのに猫とウサギと住んでいる釣りと酒をこよなく愛する40代のオッサン。
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