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猫とウサギと釣りのブログ

ウサギの親子に育てられた猫とウサギの親子と筆者の趣味の釣りに関するブログです(たまに自動車関係の記事あり)

 
Category: その他  

「自信あふれる姿が誇り」福島レスキュー隊員の母

「気をつけていってきなさい」

受話器の向こう側から聞こえた一人息子の声に、ありきたりの言葉しか返せなかった。

後悔した。

あの子が好きで選んだ道。

厳しさやつらさを幾度も乗り越えてきたはず。

あの子なら大丈夫…。

そう自分に言い聞かせた。

本当は心配で仕方なかった。

息子は「福島の原発に行く」と言った。

白い煙とともに放射性物質が拡散したあの事故から1週間もたっていなかった。

福島市の菊池孝子さん(68)は回想した。

「あの子が仕事の前に電話してきたことって、あったかしら」。

思いだせないことがまた、不安を駆り立てた。

長男の謙さん(41)は大学卒業後、大手銀行に就職した。

それから3年。

謙さんは頭を丸めて帰郷した。

東京消防庁の消防隊員になっていた。

両親には何も知らせず、「転職」したのだった。

「謙が決めたことだから間違いないと思って、いつも応援してきたんです」。

孝子さんと夫の道雄さん(70)は口をそろえる。

その謙さんはハイパーレスキュー隊員として、福島第1原発3号機の原子炉冷却という任務に向かった。

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東京消防庁のハイパーレスキュー隊に所属する菊池謙さん

《あまりにも唐突で、気持ちの整理もままならぬ中、頑張ってきなさいと言うしかなかった。本当は放射能の中への突入なんてあり得ない、やめてって叫びそうだった。東京消防庁への道を選んだ時、反対しとけばよかったとさえ思った。これって、お母さんのエゴなのでしょうか》

孝子さんは当時の気持ちを手紙につづっていた。

ハイパーレスキュー隊が福島第1原発に到着したのは昨年3月18日の午後11時ごろ。

真っ暗だった。

謙さんが目にしたものは、想像を絶する光景だったという。

水素爆発で骨組みがむき出しの発電施設、津波の威力で散乱したがれき…。





夜目にもはっきりと焼き付いている。

謙さんは中隊長として、隊員の被曝(ひばく)管理と安全管理を担当した。

長時間、車外に出ての活動だ。

胸ポケットの放射線量測定器は「ピー、ピー、ピー」と鳴り続けていた。

作業が終わったのは翌19日午前4時。

「ミッション達成」

午前4時半ごろ、孝子さんの元に謙さんからのメールが届いた。

涙が出た。

「最悪のことも考えていましたので、本当にほっとしました」。

道雄さんと孝子さんは一睡もせず、テレビにくぎ付けになって活動を見守っていた。

《そう言えば謙はどら焼きが好きだった》

《忙しくてしっかり抱っこもしてやれなかった》

遠い昔のたわいもないことが浮かんでは消えた。

不眠不休で作業にあたっていた謙さんと直接会話ができたのはその2日後。

孝子さんは「ごくろうさんね」、道雄さんは「酒送るぞ」と言葉をかけ、息子の労をねぎらった。

道雄さんは「ここは原発から60キロ以上離れているが、最悪の事態になれば私たちも避難しなくてはならなかった。危険を顧みず活動してくれたことに、わが息子ながら本当に感動した」と語る。

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菊池道雄さん、孝子さん夫妻

事故から10カ月が過ぎようとしている。

孝子さんの自宅付近では、今も放射線量の高い場所がある。

事故直後は外出を控えていたが、最近は少しずつ変わってきた。

「散歩をすることも多くなりました。福島のものも食べています。『いい方にいく』と信じるしかないですよ」。

孝子さんはそう話す。

ここ福島は謙さんの故郷でもある。

原発に向かう途中、車窓に映る田園風景に、生まれ育った古里への思いを改めて強く感じた。

その危機をなんとか救いたいという思いが膨らんだという。

「活動は終わったと思っていません。事故が収束し、元の福島に戻れるよう少しでも力になりたい」。

素直にそう言える。

最近、親子間のメールや電話が増えた。

謙さんは事故対応の任務をきっかけに、「両親が私のことをすごく心配してくれていることが分かった」という。

謙さんから「大丈夫?」と聞かれるたびに孝子さんは胸が熱くなるという。

《20ミリシーベルトの放射能を浴び、決死の覚悟で任務に挑んできた一員として、自信にあふれたあなたの姿こそ、お母さんの誇り》

孝子さんは謙さん宛ての手紙にそう書いた。

両親と故郷を、息子が、あるいはその世代の人々が守っていく。

福島が必ず再生することを信じながら。



東日本大震災 東京消防庁、原発で命がけの放水活動


大量被ばくの恐怖の中福島第一原発で放水活動を行った隊員の会見


(イザ!)

未経験可。勤務時間は自由出勤。時給1,500円~の副業。





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大塚幸一

Koichi Otsuka

Author:Koichi Otsuka
犬派なのに猫とウサギと住んでいる釣りと酒をこよなく愛する40代のオッサン。
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