被災ペットに救いの手を
被災ペットの支援をきっかけに設立された松山市のNPO法人「えひめイヌ・ネコの会」が、東日本大震災で飼い主とはぐれるなどした犬や猫を救おうと、地元で支援活動を続けるNPOへの義援金や、迷子になったペットを育ててくれる人を募っている。代表の高岸ちはりさん(58)は「小さな命にもどうか救いの手を」と訴えている。
高岸さんは、1991年の長崎県・雲仙普賢岳噴火災害で、飼い主と離れ離れになった犬や猫の存在を知り、ペットフードを被災地に送るなどの支援を開始。95年の阪神大震災では被災地に赴き、避難所で犬や猫を連れた被災者にフードを配って歩いた。
今回の震災後、高岸さんは、津波で被災した宮城県内で1匹の犬が衰弱した別の1匹を守ろうと寄り添うテレビ映像を目にするなどし、支援が必要になると判断。先月14日から義援金の募集を始めた。現地からの情報では、津波でペットとして飼われていた犬猫の多くが犠牲となり、東京電力福島第一原発からの放射能漏出で、住民が避難した福島県内では今も数百匹が放浪。現地のNPOなどによって少しずつ保護が進められているという。
現在、約70人から70万円以上の義援金が寄せられ、今月中に現地の社団法人SORA(福島市)、市民団体「新潟動物ネットワーク」(新潟市)、市民団体「犬猫救済の輪」(川崎市)、NPO法人「エーキューブ」(仙台市)、NPO法人「アニマルクラブ石巻」(宮城県石巻市)、市民団体「動物いのちの会いわて」(岩手県雫石町)の6団体に送付。動物を保護する際のガソリン代や治療費、餌代などに充てられる。
申し出はまだないが、今月13日、ドッグフードメーカーから「被災動物を一時保護した人らに無償でフードを提供したい」と連絡があったという。
「人の命が多く失われているさなか、なかなか動物への支援を言い出せなかったが、何か協力したい」という声も寄せられ、高岸さんは「必死に生き永らえた貴重な命。遠慮せずに手を差し伸べてほしい」と呼びかけている。
義援金の受け付けは5月末まで。振込先は「ゆうちょ銀行 記号16140 番号19772711」で、口座名は「特定非営利活動法人えひめイヌ・ネコの会」。申し込みや質問メールはコチラ【ehimeinuneko@mbr.nifty.com】
その他の問い合わせはコチラ(089-997-7564、月水金の午後2~5時)

被災ペット支援の「里親」探しイベント。NPO代表者は「小さな命にも救いの手を」と呼び掛ける(松山市で)
(読売新聞)
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