函館大火の恩返し
津波で多くの船を失った三陸へ、228隻の中古船が贈られる。
北海道函館市の港から岩手県の久慈(くじ)港に向け、4日午後、台船に載せられて出発した。
思いがけない応援に驚く久慈市漁協に、函館市は「77年前の恩返し」と説明している。
函館市東部にある椴法華(とどほっけ)漁港。
乗組員らが出港前、小型漁船が台船にしっかり固定されているか最終確認した。
台船には「がんばれ東北!! がんばれ久慈!!」の横断幕。
漁船集めに尽力した市内5漁協のうちの一つ「南かやべ漁協」の小川正毅専務理事は「漁師にとって船は命。同じ漁師として、何かしたいという思いが集まった。みんなの思いを込めて贈りたいです」と話した。
久慈市漁協は漁船617隻の93%を津波で失った。
3月末、船で救援物資を久慈港へ届けた函館市から「何か出来ることはないか」と問われ、岩手県北部の同漁協は「6月にはウニの漁期を迎えるのに船がなくて出られない」と苦境を伝えた。
ほどなく函館市から「中古の船を譲りたい」と返事が来た。「昭和9(1934)年の函館大火の恩返しです」
大火で2800人余りの死者・行方不明者が出た際、函館には久慈など岩手各地から義援金が贈られたという。
「そんな昔の話、こちらで覚えている人はほとんどいないのに。ありがたい」と久慈市漁協の嵯峨松男参事は驚きながらも喜んだ。
(朝日新聞)

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