巨大津波に備え、M9対応の地震計80カ所に-気象庁
今回の震災では地震波が測定範囲を振り切り、正確な地震の規模を速報できなかった。
再計算で津波の高さを修正したが、第一報の「過小予測」が避難の遅れにつながったことから、迅速な計測体制を整える。
同日公表した3次補正予算案に盛り込んだ。
地震計は、振り子の揺れを電圧に変換して地震波の振幅を記録する。
今回の震災では、M9クラスの地震で発生する3~5分周期の振幅の大きい揺れが測定範囲を超えたため、波形が途中で途切れてしまった。
新しい地震計は電圧処理の性能を高め、M9クラスの振幅の大きい揺れを正確に記録することができる。
新型地震計と合わせて、三陸沖の沿岸から約100キロ離れた日本海溝の西側には、海底津波計も新設する。

気象庁が設置する海底津波計のイメージ
南北に3カ所設置し、震災の余震や、海溝の東側の地震による津波に備える。
海底の水圧計で津波の高さを測り、水上に浮かぶ通信機でデータを送る方式で、津波が沿岸に到達する約30分前に観測できるという。
沖合の観測を強化し、津波警報の過小評価を防ぐのが狙いだ。
気象庁は地震発生から約3分後に津波警報を発表しているが、従来の方法ではM8を超えると規模を正確に計算できない。
そのため発生から約15分後に、より精度の高い方法で再計算している。
震災では発生直後に推定したM7.9に基づいて、津波警報の第一報で「岩手、福島3メートル、宮城6メートル」との高さ予測を発表。
しかし、これまでの地震計の測定範囲を超えたため15分後に再計算ができず、過小評価に気づくのが遅れた。
その後、沖合約30キロにある全地球測位システム(GPS)波浪計の観測データを基に高さ予測を引き上げたが、第一報の過小評価が避難の遅れにつながったと指摘されている。
(日本経済新聞)
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