M9-南海トラフ巨大地震「東日本より甚大」 震源域2倍に拡大
地震の規模も従来のマグニチュード(M)8.7から東日本大震災と同じM9.0に引き上げた。
西日本の太平洋側では、行政も市民も意識改革を迫られそうだ。
■内閣府中間報告
南海トラフは駿河湾から九州沖にかけて延びる浅い海溝。
ここでフィリピン海プレート(岩板)が陸側のユーラシアプレートの下に沈み込んでいて、M8を超える巨大地震が100~150年の間隔で繰り返し起きている。
政府の中央防災会議は2003(平成15)年、江戸中期の1707年に紀伊半島沖で起き、東海・東南海・南海3連動地震とされる宝永地震(M8.6)などをモデルに、震源域や地震の震度分布、津波の高さを算出し、防災対策に反映させてきた。
しかし、東日本大震災の発生を受け再検討している。
検討会は、高知県で見つかった過去の津波の堆積物から、宝永地震より大きな津波が約2000年前に発生した可能性などを指摘した。
新たな想定では、強い揺れをもたらす範囲の想定震源域を3方向に拡大。
南西側は宮崎県北部沖の日向灘の手前までだったが、宮崎県南部沿岸まで延長。
東側は東海地震と連動の可能性がある富士川河口断層帯の北端付近まで広げ、内陸側にも拡大した。
その結果、新たに愛媛、香川、奈良、長野各県の一部が震源域となった。
紀伊半島南部や四国のほとんどが含まれ、高知県は全域が震源域だ。

東海・東南海・南海の巨大地震
地震の規模は東日本大震災と同じだが、検討会の阿部勝征座長は記者会見で「人口は東北地方と大きく違うので、被害はだいぶ違ってくるかもしれない」と懸念を示した。
■津波、四国で20メートル
津波の高さについて検討会は、3連動型地震に津波地震が連動した場合、四国で約2倍の最大20メートルになるとのシミュレーションを例示しており、各地の避難計画などに影響を与えそうだ。
委員の一人、橋本学・京大防災研究所教授(地震学)は「あくまで今後の計算次第だが、震源域拡大で、過去の想定と比べ、津波では九州や瀬戸内海、強震動では大阪や京都などへの影響が大きくなることも考えられる」と話した。
中央防災会議専門調査会の座長を務めた河田恵昭関西大教授はこの日、震源域が広がったことについて、岡山県庁で記者団に「瀬戸内海では津波は東西から押し寄せ、断続的に6時間は継続する」との見方を示した。
(イザ!)
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