難病も希望持って-静岡県立こども病院で乳児の心臓手術成功
世界でも例のない先天的心臓病を患う8カ月の乳児の難手術に、静岡県立こども病院(静岡市葵区)が成功した。
同病院が21日開いた記者会見で、元気になったわが子を抱いた母親は、「涙が出てきそう。信頼できる先生に出会え、感謝でいっぱい」と喜びをかみしめた。
患者は東京都中野区の会社員有川拓さん(39)と妻由紀子さん(35)の次男護(まもる)ちゃん(8カ月)。
会見には長男創ちゃん(4つ)も同席した。
坂本喜三郎副院長らによると、護ちゃんは昨年5月4日、由紀子さんが妊娠37週の時、家族で伊豆に滞在中に破水、ドクターヘリで同病院に搬送され、緊急出産した。
同病院は、護ちゃんの心臓が左右の心室につながる動脈が逆につながった「大血管転位症」など、心室や心房、弁、血管が複雑に奇形し、3つの症状が同時に合わさった先天性心臓病と診断。
世界でも報告例はなく、1歳を過ぎると生命の危険もあり、根治には手術が必要だった。
各症状でさえ難手術で、3つの症状が重なった心臓病の手術は、世界でも報告例はなかった。
病院側はリスクを明かしつつ、治療の可能性を説明。
由紀子さんは「迷ったが、親として治療しないまま子どもを見殺しにできない。信頼できる先生に任せるしかない」と、手術を決意するまでを会見で振り返った。
手術は昨年12月13日、坂本副院長ら6人の執刀医による約12時間の手術で、心臓を通常の形に修復させることに成功。
会見のあった21日、無事退院に至った。
護ちゃんの心臓は、成長とともに補助的手術も必要。
主治医の井出雄二郎医師は「同じ体の子と遜色なく成長が見込める」と話す。
由紀子さんは「同じような病気で治療を受けられない子も多いと聞く。治療ができた子がいることを知ってもらい、希望をもって情報を収集してほしい」と会見で呼び掛けた。
(中日新聞)
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