ダニ、ゴキブリ成分で肺炎-兵庫医大など仕組み解明

マウスの肺細胞。白い丸がキチンで、その周りに赤っぽく染まった好酸球が過剰に集まり、肺炎を引き起こしている。
ヒトも同様と考えられ、肺炎予防や治療への応用が期待できるという。
研究成果は14日の米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
生物の体は異物が入ると、正常な反応として炎症などを起こして排除しようとする。
しかし炎症が長時間続くような過剰な場合は体が損傷し、肺炎などの症状が出る。
同大学の中西憲司学長や安田好文助教らの研究チームは、寄生虫の線虫に感染したマウスを調べたところ、リンパ球の一種で免疫反応を強める「ナチュラルヘルパー細胞」が、線虫に含まれるキチンの影響で通常より強く働いていることを確認。
さらに、ナチュラルヘルパー細胞が作った別の物質により、異物を撃退する働きがある白血球の一種「好酸球」が過剰に増えて肺に集まり、肺炎を引き起こしていることを突き止めた。
キチンは、虫の外皮のほかカニの甲羅、エビの殻、キノコなど菌類の細胞壁にも含まれる多糖類の一種で近年、免疫反応の増強効果などに注目が集まっている。
ただ肺炎の予防や治療としては、キチンが必要以上に体内に入らないようにしたり、キチンが原因で増える体内の免疫関連物質を薬で抑えたりすることなどが考えられるという。
中西学長は「キチン以外にも免疫反応を強くする物質は多い。過剰な免疫反応による炎症やアレルギーなどの全容を解明し、市民の健康維持に役立てたい」と話す。
(神戸新聞)
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