琵琶湖、湖底の噴き出し増加-「地殻のひずみ」関連か
琵琶湖の高島市沖の湖底で09年12月に確認された噴き出し箇所の増加が、今年1月に県琵琶湖環境科学研究センターが自立型潜水ロボット「淡探」で実施した調査で確認された。

淡探(たんたん)
詳しい原因は不明だが、琵琶湖は大地の縮みが集中する「新潟-神戸ひずみ集中帯」に含まれており、地殻変動の影響の可能性もあるとして地震研究者が注目している。
同センターの熊谷道夫・環境情報統括員によると、潜水調査は同月5~8日、安曇川河口沖約3キロの水没島付近から北に約12キロの区間(深さ約90メートル)で実施した。
10年12月の調査で1キロ当たり約9個だった噴き出しが、今回は同25~30個に増加。
湖底の濁りも強まっていた。
また湖底近くの水温が、湖底から1メートル付近と比較して0・001~0・008度ほど高い場所があり、湖底から水への熱の移動が噴き出しの原因の可能性もあるという。
噴き出しの増加を「憂慮している」と話すのは、近畿地方の地殻の動きを研究する佃為成・元東京大地震研究所准教授だ。
佃さんは地殻変動で岩盤の亀裂に充満している水やガスに圧力がかかり、圧力の弱い部分に噴き出しているのではないかと仮説を立てている。
佃さんによると、新潟県から神戸市にかけての一帯に岩盤の縮みが集中し、「新潟-神戸ひずみ集中帯」と呼ばれている。
この一帯では大きな地震が繰り返し発生し、近年では阪神淡路大震災(95年)、新潟県中越地震(04年)、同中越沖地震(07年)があった。
滋賀県もこの集中帯に含まれており、湖底の噴き出しにひずみが影響した可能性がある。
そもそも琵琶湖は地殻変動でできた構造湖で、熊谷さんによると、同じ構造湖のバイカル湖(ロシア)でも噴き出しが確認されているという。
また熊谷さんらは昨年5月、宮城県南三陸町の依頼で同町沖の海底12カ所(約40メートル)を調査した際、5カ所で琵琶湖の湖底とよく似た濁りを発見した。
熊谷さんは「東日本大震災の影響で海底に変化が生じた影響かもしれない」と話す。
ひずみは全国1200カ所のGPS(全地球測位システム)で観測する。
新潟-神戸ひずみ集中帯を研究する名古屋大減災連携研究センターの鷺谷威教授(地殻変動学)によると、集中帯では年間約2センチ土地が縮むという。
ひずみの理由は不明だが、集中帯は比較的弱い地殻の一帯で、プレートの動きが集中し、将来的にプレート境界ができるのではないかとも考えられている。
鷺谷教授は「琵琶湖周辺は地殻の変形が激しい場所の一つ。噴き出しが何を意味するかは分からないが、詳しく調べる価値がある」と指摘している。
(毎日jp)
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