釣行後に書くブログ記事に関して、出来るだけ細かく書いているつもりなのですが、自分でブログ記事を時折読み返した際に、「あぁ…ここをこう書けば良かったな…」などと後から気付き、説明不足だったな…と思うことがあります。
語弊のある言い方かもしれませんが、分かっている者からすると、分かっていない方が具体的にどこがどう分からないかが分からない…ということもあり、ブログ記事を後から読み返した時に、説明不足やものの言い回しなどの不備に気付くことが多々あります。
気付いた事を、補足的に毎回記事に起こしているわけではありませんが、これは大事だな…と思うことは補足記事を書かせて頂いております。
今回は、前回のブログ記事で触れました、掲題の魚の習性や反射を利用することに関して補足させて頂きます。
いよいよ冬になり、寒さも厳しくなってきており、釣りそのものに行くだけで厳しい状況かと思います。
そんな中、気合いを入れて釣りに行っても全く釣れないと、夏場に釣れない時より落胆する度合いが大きいかと思います。
このいろんな意味での厳しさ。
これは何も人間だけに限ったお話ではなく、海の中のイワシ類にとっても同じことなんです。
夏場の海水温が高い時期は、イワシ類達も生息する環境に余裕があり動きも活発で食欲も旺盛です。
これから更に海水温が下がると、外海に出て行かず、北条湾周辺に居付くイワシ類にとっては余裕を持てる環境というより、生活出来るギリギリの下限に近付いていき、様々なことに対して敏感…というか、神経質になってきます。
では、なぜギリギリのところでわざわざイワシ類は生活するのか…
外海の暖かい海域に出ていけば良いじゃないか…
こう思われると思いますが、これは周りに隠れるところも何もない外海より、湾内や障害物などがある浅瀬の方が圧倒的に捕食されるリスクが減るからです。
極論なんですが、例えるならば外海に出て一気にクジラに何百匹と一飲みにされるなら、北条湾内でイナダに追い駆けられてせいぜい数十匹が犠牲になる方が生き延びる確率が各段に上がります。
数年前までは、北条湾周辺もイワシ類が生息出来る下限の海水温を冬場は下回っていたので、秋以降順次イワシ類は生活出来る海水温の海域に出て行っていましたが、近年の海水温の上昇により真冬でもイワシ類が生活出来る海水温の下限ギリギリを下回らなくなったため通年を通して北条湾周辺で生活するようになりました。
ここまでは、ザックリとなぜ北条湾周辺に一年中イワシ類が居るのか…というお話でした。
ここからは、ではなぜイワシ類は城ケ島周辺などではなく、北条湾周辺に集中しているのか…
これは城ケ島周辺より圧倒的にイワシ類のエサが豊富だからです。
まずは下図をご覧下さい。

北条湾と狭塚川
図の赤丸の部分ですが、北条湾に川が流れ込んでいると思います。
これは「狭塚川」という小さな川で、これが北条湾に流れ込むことによって、有機物なども豊富に流れ込みたくさんのプランクトンなどが集まります。
そして次にこちらの地図をご覧下さい。
いろいろ北条湾周辺や城ケ島周辺などを拡大してご覧頂きたいのですが、周辺海域で川が流れ込んでいるのは北条湾に流れ込んでいる狭塚川だけです。
そして、これも大事なポイントなんですが、北条湾はウナギの寝床のような細長い狭い湾で潮の流れが緩やかです。
これにより、イワシ類のエサが散り散りにならず湾内にたくさん溜まります。
更に地図を拡大して頂くと、城ケ島は相模湾と東京湾に面しており、少し行けば太平洋です。
銚子沖には暖かい海流の黒潮も流れており、漁場としては申し分ありません。
しかし、これは同時に非常に潮の流れが速いことを意味しており、城ケ島周辺で言えば潮通しが良いことになります。
海水温も高く、エサもたくさんある夏場はあまり細かく意識せずとも、城ケ島周辺でもイワシ類は釣れますが、条件がシビアになるとよりイワシ類が釣れる場所は限定的になってきます。
元々、イワシ類は潮通しが良過ぎる場所は嫌います。
理由としては…
①海水温が変化しやすい
②エサが散りやすい
③大型魚に狙われやすい
それでも、夏場は然程敏感にならずとも、絶対的なイワシ類の数もたくさんおり、エサも豊富なので問題ありませんが、冬場はそうはいきません。
こういったことから、イワシ類にとって生息していくための状況が厳しくなる冬場は、潮通しも悪く海水が滞留し海水温が安定し易く、且つ川が流れ込んでくることでエサがある北条湾に集中し易いのです。
ただ、川と海水が滞留し易い…という点で、北条湾のデメリットして雨があります。
冷たい雨がたくさん降ると、この潮の流れが悪いことが仇となり、他の海域より海水温が下がり易いというデメリットがあります。
私が釣りを始める時に、毎回必ず海水温を計りTwitterでお伝えしているのは、こういうことからです。
海水温が低過ぎると、イワシ類の活動は渋くなり当然食いも悪くなります。
最悪、北条湾からイワシ類の群れが出て行ってしまいます。
北条湾での冬場のサビキ釣りは、絶妙なバランスで成り立っているということが言えると思います。
ここまでは、なぜ北条湾にイワシ類が集中するのか…というお話でした。
ここからは、北条湾に集中したイワシ類を厳しい状況の中、どうやって釣り上げるか…をお話し致します。
前回のブログ記事(12/1釣行)でも触れましたが、真冬の地上が死ぬほど寒くても問題は海の中の状況なので、海の中の状況(潮回りや海水温等)が良ければ、夏場同様に簡単にサビキでイワシ類は釣れます。
しかし、冬場は先にも申し上げた通り、イワシ類が神経質になる要素がたくさんあります。
イナダやシーバス、冬場ですとヒラメなんかも北条湾周辺に寄って来ますので、これらのフィッシュイーターの大型魚。
釣りのお供のアオサギを始め、海鵜などの鳥も天敵です。
海水温の低下。
潮の動きが鈍い…など、夏場とは違い北条湾自体の環境が安定しないことが多いです。
当然、魚でも鳥でも天敵に追われている時は、イワシ類も飯なんか食ってる場合じゃありません。
他にもイワシ類の食いを渋くする要素は、小さいことも含めればかなりあります。
冬場は上記、例に挙げているだけでも、これらを全てクリアし、イワシ類が万全に釣れる状況が整う方が難しいと言えます。
ここから、いよいよ掲題の魚の習性や反射を利用したサビキ釣りのお話になります。
一言で言えば、ご飯を食べる気が無いイワシに針を食わせよう…ということです。
先に注意事項として申し上げておきますが、概ね習性はどの場所で釣れるイワシ類も変わりませんが、以下でお話しする光や色に関しては、釣りをする場所で変化することがあります。
概ね金系(黄色)か銀系(白色)に分かれますので、北条湾以外でお試しになる場合は、どちらの色にその釣り場のイワシ類が反応するか見極めた上で釣りをして下さい。
北条湾では銀系の色にイワシ類が良く反応します。
※私が使用しているサビキ仕掛けや、サビキ仕掛けによっての反応の違いについてはこの記事では割愛しますので、そちらは前回の記事をご覧下さい。
昼夜を問わず、北条湾でお使いになるサビキ仕掛けは銀色、白色を主に使用したサビキ仕掛けをお使い下さい。
ここからは、昼(朝マヅメ~夕マヅメまで)と夜(日没~朝マヅメまで)に分けてお話しをさせて頂きます。
まず昼ですが、アミコマセのアミは夜間、暗い海の中では蛍光の緑色に光ります。
しかし、日中は陽の光の方が強いので、この発色を利用することはほとんど出来ません。
一番意識して頂きたいのは、銀色の針がキラキラ光る反射。
次にコマセは原則的に撒かない。
なぜコマセを撒かない方が良いかと申しますと、トリックサビキであっても針に少量付いたアミコマセで十分撒き餌の効果は出ます。
必要以上に撒き餌を多用すると、アイゴ(毒魚)やフグ、ウミタナゴ、メジナ等の根魚が集まってしまい釣りにならなくなります。
海が澄んでいる場合は、タナを少しずつ深めに落としていく。
降雨後の釣行、または雨の中の釣行の場合もアタリが無ければタナは深めに落としていく。
集魚板やスキン等、トリックサビキの針以外の集魚グッズはなるべく使わない。
これは、夜間の釣りにも言えるのですが、冬場は特にイワシ類が神経質になっていることが多く少しでも警戒されるような物はなるべく使わない。
そして、昼間の釣りの場合、比較的大型魚が北条湾内に居ることは少なく、大型魚の影響で食いが渋くなることはあまりありませんので潮の動きを意識する。

上のキャプチャー画像の赤丸の時間帯、これがこの日の潮汐の中で活発に潮が動く時間帯です。
この時間帯が被るように釣りに行ったり、釣りをしていてこの時間帯に入った場合、小まめにトリックサビキにアミコマセを付けて投入するなど、意識して釣りをしてみて下さい。
今シーズンの冬はウルメイワシがメインで今今北条湾に寄っており、サイズも20cmクラスに近いものが釣れています。
サビキ仕掛けの針のサイズは最低5号以上の物をお使い下さい。
魚へのアピールはもちろんですが、針が小さ過ぎると針掛かりが甘くバラす頻度が高くなります。
良く針掛かりしにくく、バラすことが多い方で、針のサイズが大きく小さくした方が良い…と、誤解されている方がいますが、全く逆で針が小さいから針掛かりしにくくバラし易いんです。
極論8号くらいの針でも十分釣れます。
次に夜、街灯がある場所で釣りをされる場合は、概ね上記昼の釣りと大きく変わりません。
ただ、魚の視界的に昼より夜の方が当然見えにくいので、潮の動きに捉われず釣りをしている間は小まめにアミコマセを付け直した方が良いです。
掲題にありますように、イワシの習性や反射を利用する事を前提としておりますので、活性が高い低いは関係なくサビキ仕掛けの傍にイワシが来た時に思わず食い付くことを想定しています。
日中の場合、視覚的には良く見えていますので、反射的に反応しても針だと分かると食ってこないので、どうしても活性が幾分でも上がるタイミングを狙うしかありません。
しかし、夜の場合視覚的に見えにくいので思わず食い付くことが多々あります。
街灯がある場合は、針の反射とアミコマセのアミが発する蛍光色を利用し釣るイメージです。
街灯がある場合は、昼同様撒き餌は控えた方が無難です。
ただ、北条湾に限っては鯛系の魚やメバルなどが夜間帯は釣れますので、オールマイティに釣りたい場合は撒き餌を使用するのはありかと思います。
次に街灯が無い場合ですが、街灯が無い場合は針が光りに反射する銀色の光はほぼ使えませんので、アミコマセのアミが自発的に発する蛍光の緑色の光を利用します。
そして、街灯が無い場合は撒き餌を使います。
ただ、撒き餌と言ってもアジパワーなどの粉物の撒き餌等や使わず、アミコマセのみを撒きます。
定期的にアミコマセを撒き、小まめにトリックサビキにもアミコマセを付けて下さい。
概ね要点はこんなところかと思います。
同じサビキ釣りでも、実は夏と冬では全く重きを置くポイントが違い、夏のサビキ釣りはエサ釣りに近く、冬のサビキ釣りはルアーや餌木の釣りに近い感じです。
どうしても冬場は様々な要素から、イワシ類の食いが渋くなります。
効率的に毎回釣果を出すためには、イワシ類が持つ光に反応する習性を利用して釣ります。
また、夜の釣りでの集魚灯はほとんど意味がありません。
同じ角度から、同じ光量で安定して光りが差している場合、イワシ類は警戒しませんが、短時間で光りに強弱があったり光軸(光りが差す角度)が変わる光は警戒し、逆に食いを悪くします。
少し違う言い方をしますと、道路の形状などで、車のヘッドライトが海面を照らしてしまう場所などはイワシ類が嫌うため釣れないことが多いです。
あとは夜間の場合は特にですが、大声での人の話し声などもアウトです。
光りや音は一定していればイワシ類も次第に慣れ問題ありませんが、強弱があるものに対しては非常に警戒します。
冬場のサビキでのイワシ釣りは、アミコマセの臭いで寄せて、アミや針の光に反応するイワシの習性を利用して釣る釣り…こんな感じです。
海の中で、ご自身がお使いになっているサビキ仕掛けが、どういう風にイワシに見えているのか…と想像しながら工夫をしてみて下さい。
イワシ類は、フグやカワハギなどのように同じ場所にヘリコプターのホバリングのように留まることは出来ず、常に泳いでいる魚です。
故に、動体視力や反射神経は他の魚より秀でており、光に対して瞬間的に反応する習性があります。
この習性を存分に活用します。
前回の釣行時に、同じ日のほぼ同じ時間帯に城ケ島側でサビキをされている方のツイートを目にしました。
私より早く現地入りしていたので、時折その方のツイートを拝見させて頂いていたのですが、結果私より遅くまで釣りをされてボウズでした。
難しく考える必要はなく、夏だろうが冬だろうがポイントを押さえてサビキ釣りをすれば簡単に釣れる釣りです。
冬場のサビキ釣りは読みにくく、釣りにくいことは確かです。
しかし、釣れてくれればイワシ類もそれなりに脂ものっており今の時期のウルメイワシは絶品です。
一度ポイントを理解し釣れれば、2月以降のイワシの産卵期に北条湾から一時期離れるタイミングを覗けば毎回行ってもまずボウズはありません。
参考にして頂ければ幸いです。
寒さに耐え、折角城ケ島くんだりまで釣りにいくわけです。
是非、冬のイワシを釣って美味しく食べて頂ければと思います。
また、ご報告させて頂きます。
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