【城ヶ島・三崎港・北条湾】例年より早いですがイワシ(青魚)の群れは北条湾を離れたと思います(2020年1月12日)
年明けから、忙しなく釣りに行っておりましたが、年末年始の連休も終わり生活もいつも通りに戻り一週間経ちました。
去年の12月以降顕著でしたが、例年には無い動きをイワシを始め、北条湾へ回ってくる青魚達がしていました。
釣りは自然相手のことですので、寸分違わず毎年同じ…ということ自体が有り得ませんが、それにしても去年の春以降のサビキ釣りのシーズンイン後は、今まででは考えられない青魚達の動きがありました。
夏前は産卵前の個体がたくさん釣れました。
通常イワシ類は、産卵期に入ると外海の暖かい海域に出て行き、そこで産卵しまた岸近くに戻って来ます。
それが去年は産卵期に入り、一旦北条湾を離れた個体が産卵をする前に、お腹に卵を抱えたまま再び北条湾へ戻って来ました。
また、釣れる各種のイワシ類の個体も、例年よりサイズが大きく太っている個体が多く、身や脂の色にも変化があり北条湾周辺海域に豊富に彼らのエサがあったと思われ、行動範囲も広がっていると思われます。
釣りとは少し違いますが、台風などの大型化も実際に被災しなかった私なども、かなり実感することがたくさんありました。
死を軽く意識したり、今まで経験したことがない恐怖を感じるほどの風雨を経験したのも記憶に新しいところです。
これら例年にない魚や台風などの状況の変化も、一言で言えばそれだけ海水温が高くなっているということが原因の一つとしてあると思います。
この週、少し気になった記事がこちらなんですが、これも地球の温暖化や海水温の上昇が原因の一つとなっています。
台風、温暖化で1割減速か 今世紀末に洪水増える恐れ 気象庁など研究(毎日新聞) https://t.co/YEG5m5RqVy
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 9, 2020
そして、去年の12月に顕著だったイワシ類の行動ですが、北条湾内にイワシ類の群れはいるのにサビキ針に食ってくることがほとんどなく、且つ北条湾の中央部に群れが集中することが多かったです。
元々、今までメインで釣れていたウルメイワシを始め、イワシの仲間は夜行性ではありません。
ただ、イワシの仲間は常に泳いでいる魚で、眠ったり休んだりする時も泳いでいます。
夜間など暗い時にイワシ類が釣れるのは、エサを認識して食ってくるというより、キラキラ光る光の反射に反応する習性を利用して釣っています。
今シーズンの冬のイワシ類は、北条湾内で生活しているというより、避難場所として湾内に入って来ておりエサへの執着が薄く休むために来ていた…という印象が強いです。
つまり、外敵から身を守るために暗くなると北条湾内にやって来て、陽が昇ると北条湾以外の餌場へ向かう…
現に、夜間に湾中央部に群れは確認出来るが、足元に寄って来ることはなく、湾の中央部をグルグル回りマヅメ時以降に群れが居なくなることが多かったです。
毎年、北条湾でマイワシに始まり、イワシ類が越冬するようになったおよそ6年くらい前※から一昨年あたりまでは、北条湾内の海水温が15度~16度くらいになると、イワシ類は北条湾からほとんど出ることなく産卵期まで北条湾内に留まっていました。
※6年前以前も稀に「居付きのイワシ」と言ってマイワシが北条湾内に真冬に居付くことはありました。
これは、流れも緩く潮流の影響を比較的受けにくい湾内は海水温が安定し易いためです。
この頃は、状況によってはイワシ類が生活出来る海水温の下限ギリギリまで海水温が下がることがあり、余計シビアに北条湾から出ることはありませんでした。
北条湾から出てしまうと、潮の流れも早く潮流や海流の影響を受けやすく、海水温が不安定になってしまうためです。
そして、イワシ類は北条湾から出ずに数ヶ月を過ごすので、当然北条湾内にあるエサのみで越冬します。
故、「居付きのイワシ=痩せている」という感じで、6年ほど前真冬の北条湾で、まだ私と家内しかサビキ釣りをしていないような頃に釣れたマイワシは、非常に痩せており、釣り上げた瞬間はサッパと間違えるほどでした。
それから数年、毎年同じようなサイクルで産卵期を除きほぼ通年を通して、北条湾で一年中サビキでイワシ釣りが楽しめる状況が続きました。
年を追うごとに、当初はマイワシしか釣れなかった状況から、ウルメイワシやカタクチイワシ(シコイワシ)、アジなども真冬でも釣れるようになっていきます。
マイワシは他の青魚より、生活出来る海水温の下限が2度ほど低く、真冬に北条湾でマイワシが越冬し始めた当初、他の青魚が居なかったのはこの2度の温度差にあると思います。
当初はマイワシしか耐えられなかったんだと思います。
徐々に越冬する青魚の種類が増えていったということが、北条湾、城ケ島近海の海水温が一年を通して全体的に高くなった証だと思われます。
そして、去年はとうとうイワシ達の生態のサイクルにも海水温が高くなったことの影響が顕著になります。
それが、先ほど申し上げた卵を持ったままの個体が釣れたこと。
イワシ達は魚です。
当たり前の話ですが、海(水)の中でなければ生きていけません。
私達人間も、仮に今住んでいる場所の酸素が少なく空気が汚くなれば、もっとキレイな空気の場所に引っ越さざるを得ません。
イワシ達にとって「海水」は私達にとっての「空気」と同じで、その温度や汚れ具合には非常に敏感になり、多大な影響を受けます。
私達人間も同じですが、子孫を残す行為は一大イベントです。
彼らイワシ達は、生後1年目の個体は子孫を残す一大イベントは行わず、生後2年目になると産卵をします。
そして、この生態のサイクルを行う上で、一つの基準になっているのが海水の温度です。
釣りに行ったこの日の北条湾の状況はこんな感じです。
釣りを開始します。気温7度、天候は曇り、風は1m〜2mほど、海水温は15度です。三連休の中日なのに釣り人は少ない感じです。ツイート時点で北条湾内に群れは確認出来ません。日の出あたりまでやってみたいと思います。風がほぼ無いので気温ほど寒く感じません。 pic.twitter.com/JlsChkMbpF
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
海水温を始め、表面上のデータに特に釣れない要素は見当たりません。
つまり、北条湾の外の海水温が例年になく高くなっており、越冬するために北条湾を頼っているわけではなく、完全に避難場所や休憩所の感覚で、且つ海水温が高いことで全体的な行動範囲が広がっており、群れが散り散りになり北条湾内へ入ってくるイワシ類の数が例年より減っているということです。
そして、北条湾以外の海域の海水温が高いということは、産卵を促すタイミングに影響を及ぼしてもおかしくありません。
この日は北条湾に到着し、車を降りた瞬間に「あぁ…いないね…魚」という雰囲気がムンムンに伝わってくる感じでしたが、海の状況から伝わってくるものもあるのですが、一番違和感を覚えたのは鳥。
中潮の割には潮の動きが非常に鈍いです。相変わらず魚の気配も無ければアタリもありませんが、気になるのが今日は鳥達が全く居ないのが気になります。
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
特に釣りのお供のアオサギです。
この日はどこを探してもいない…
鳴き声も聞こえない…
※後に朝マヅメあたりで一度飛んで来ますが、北条湾上空を鳴きながら数回旋回し山の方へ帰って行きました。
冬場に入り、イワシ類の回遊頻度も下がり、思うように魚が獲れず、ここ数週間は毎回私のそばへやって来ていました。
大外れの釣り納めの暴風の中でも近くにいました。
しかし、この日は一向に姿を現しません。
アオサギ達にとってイワシ類の群れがいるかいないかは、日々の食事ですので死活問題です。
当然、魚が居ない北条湾でバカ面こいて待っているほど、アオサギもバカではありません。
その鳥達が全くいない…ということは、魚が獲れないから別の餌場へ行っているということです。
鳥もさることながら、この日は風がほとんど無かったので釣り自体はし易いのですが、ベタ凪の海面に魚の気配は全く感じず、時折不気味な沼のような雰囲気を出す北条湾が目の前にありました。
1/3の日に、2020年釣り始めに行き、寂しい釣果でしたがアジが2匹釣れました。
恐らくこの辺りを境に、イワシ類の群れは産卵のために北条湾を離れたものと思われます。
この産卵については、どこへ向かうのか、何の基準のどんなタイミングで一斉に北条湾を離れるのか、なぜ産卵をしない1年目の個体の群れまで一緒にいなくなるのか、などについては良く分かっておりません。
6年ほど前にマイワシが北条湾で越冬するようになった年に、腰越(江ノ島)でシラス漁が大不漁という状況から見ても、イワシ類の産卵場所などに変化があることは間違いないと思われますが、今年などは卵を抱えたまま北条湾に戻って来ている…且つ、北条湾自体の海水温に変化はないのに、なぜ産卵期に一時的に外海に出て行くのかなぞです。
何れにせよ、例年より1ヶ月ほど早いですが、恐らくイワシ類は北条湾から離れたため、しばらく北条湾でサビキ釣りの釣果は厳しい状況になったかと思われます。
そして、イワシを始めとした青魚のサビキ釣りにはあまり大きな影響は及ぼしませんが、海水温の上昇という点でもう一つお話ししますと、北条湾を始めとした三浦半島近海でウニの大量発生と、冬でも海水温が高いことでウニの食欲が落ちず海藻を食べ尽して起こる「磯焼け」が酷い状況になっています。
例年ですと、サビキでイワシ類の釣果が乏しくなってくる今の時期ですと、根魚がそこそこ釣れ釣果に彩りを添えてくれ、そのお蔭でなんとか形になったりもしていました。
しかし、今シーズンはほとんど根魚(ウミタナゴやメバル、メジナなど)が釣れません。
これも、磯焼けによる海藻等が無くなってしまう現象からきている影響だと思われます。
また、そのウニ問題が表面化する前年あたりから、落ちハゼ、落ちギスが秋に釣れなくなりました。
産卵期のハゼやキスが釣れなくなった…というのも、海藻などが無くなってしまったことにより、産卵に適した場所が減ってしまったことによるものではないかと思っています。
これは根拠はないのですが、仮に今回の釣行で確認した状況が、イワシ類が産卵のために北条湾を離れていたとすれば、もしかすると例年より早くイワシ類が北条湾に戻ってくる可能性はあります。
先ほど申し上げましたが、今シーズンは卵を持ったイワシ類が釣れました。
イワシ類が産卵期に北条湾など近海から離れ、外海に出ていくのは産卵場所が外海だからというわけではなく、他に理由があるとすれば、海水温が一つの行動指針になっていると思われ、そうするとイワシ類の生態のサイクルが前倒しなる可能性もあります。
例年ですと、イワシ類が北条湾から離れたことが分かると、北条湾に入り浸りの釣りを止め、違う釣り場に出掛けたりしていたのですが、どうしようか迷っています。
先ほど申し上げた、再びイワシ類が釣れ始めるタイミングが例年より早まる可能性もあり、釣れないのを覚悟で冬の北条湾へ通い続けるか…
でも、そうすると、毎回Twitter上に40半ばのオッサンの一人我慢大会をお伝えする羽目になるし…などと、只今検討中です。
仮に一人我慢大会なら、釣りはサビキに拘らず、普段やらない釣りなどをご紹介出来ればと思っています。
この日は釣り人も少なかったのですが、寒空の中少し癒してくれたのが釣りのお供の茶トラ猫。
釣りのお供のニャン登場。 pic.twitter.com/eTaDsrKdC8
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
恐らく半野良で、まだ完全な成猫ではないと思います。
お腹が減っていたのか、ゴンズイを滅茶苦茶欲しがりますが…さすがに毒針があるのであげるわけにはいきません。
ゴンズイです。ニャンが狙ってます。w pic.twitter.com/elr2LOtSKc
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
そして、とうとう釣り餌のアミコマセを食べ始めます。※
※少量なら問題ありませんが、エビは猫にはあまり宜しくありませんので大量に食べさせないで下さい。
あげられる魚が釣れません。とうとうコマセを食べ始めました。すまんな。 pic.twitter.com/ftpmuLWj9D
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
余談ですが、私の中で産卵でイワシ類が北条湾から離れると、シーズンの終わり、再び北条湾へ戻って来て釣れ始めるとシーズンの開始とカウントしています。
一応、この日で2019年のサビキ釣りのシーズンは終わりということになります。
釣りを開始します…のツイートにもありますが、この日はサビキ釣りをしている人は私以外には誰もいませんでした。
この状況も、イワシ類がもう寄って来ていないんだな…と感じました。
「お疲れさまでした…」という感じで、少し寂しさもありますが、いろいろ気付きも多く、今シーズンは釣りを通して例年に無いくらい地球の温暖化や海水温の上昇を非常に実感するシーズンでした。
釣り場が変わることはあるかもしれませんが、基本的に今まで同様に毎週釣りに行きます。
こちらは、この日のライブ配信動画です。
釣りのお供のニャンくらいしか見どころがありませんが、宜しければご覧下さい。
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) January 11, 2020
また、ご報告させて頂きます。
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