【三崎港・北条湾】過去10年で経験のない異常な海水温…魚達はどういう動きをするのか…(2023年8月5日)
早いもので8月に入りました。
8月、9月、サビキ釣りに於いては魚も釣り易く、釣れる魚もある程度成長し、一番面白い時期なんですが、今シーズンの北条湾ではそんなサビキ釣りに水を差す状況が起こっています。
ブログ執筆時点では、台風6号の影響で神奈川でもあちらこちらでゲリラ豪雨のような雨が頻度高く降りましたが、2023/8/5の実際の釣行時まではほとんど雨が降っていませんでした。
夏を代表する太平洋高気圧が異常に張り出し、日本の本州をすっぽりと覆い、フェーン現象による連日の猛暑…
例年台風はこの太平洋高気圧の縁を進んで行きますが、今年は異常に張り出した太平洋高気圧の気圧配置によって、南の海上で台風が発生しても九州から朝鮮半島、中国大陸の方へ抜けてしまい、例年のように本州に台風自体が近付けない状況が追い打ちをかけています。
例年ですと、定期的に台風や低気圧などによる雨や強風などの影響を受ける北条湾ですが、非常に穏やかな状況が長期間続いています。
北条湾という湾は、ウナギの寝床のように縦に細長い地形をしており、海水が淀み易く湾内の海水がシャッフルされるには、それなりの雨量の雨や強風など、外的要因がないと中々シャッフルされません。
今シーズンはこういった外的要因が少ない上に連日の猛暑…
通常、海水は気温や日差しなどの影響は受けにくく、こういったことが原因で海水の温度が上下することはありません。
海水の温度は、暖かい海流や冷たい海流のなどの影響を受けて温度が変わります。
そして、この日の北条湾の海水の温度はとうとう30度にも迫る28.5度でした。
釣りを開始します。気温31度、天候は晴れ、風は2m?3mほど、海水温は28.5度です。海水温が異常です。これじゃ魚はいないと思います。マヅメ時にこなければアウトですね…釣れるとすれば、前回の釣行時と同じ魚の動きになると思います。しかし暑いです…このまま海に飛び込みたいですね…w pic.twitter.com/R4JARcCuam
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
ここで誤解や勘違いをして頂きたくないのが、私が計っている海水の温度は北条湾の表層付近の海水の温度です。
水深が深くなれば、この限りではなく、通常の海水の温度であると思われます。
北条湾の深部には川が流れ込んでいますが、それほど大きな川ではなく、北条湾全体に流れを作ったり、影響を及ぼすことはほとんどありません。
オマケに先述しました通りの地形ですので、潮の流れもほとんどなく外的要因がないと、ろ過装置や水の循環器がない水槽を屋外に置いてある状況と変わらず、表層付近と海底付近での温度差が生まれ、且つ暖かい水は上に溜まりますので、尚のこと表層付近の海水の温度は上がります。
更に北条湾は狭い湾ですので、通常は受けない日差しや気温の影響を受けている可能性も否定出来ません。
一例ですが、北条湾は様々な魚が釣れる湾でもあり、私自身が専門でやっていないので、Twitterやブログでは話題に上りませんが、クロダイなども良く釣れる釣り場で、団子で狙うクロダイなどの釣りでは今の北条湾の表層付近の海水温の上昇による影響はほとんどないと考えられます。
私がやっているサビキ釣りや泳がせ釣りでは、モロに影響が出てしまうんですが、なぜサビキ釣りや泳がせ釣りでは影響が出るのか…
先述しました通り、北条湾の深部には川が流れ込んでいます。
この川から有機物が運ばれ、その有機物に植物プランクトンが集まります。
今度は植物プランクトンを求めて動物プランクトンが集まります。
動物プランクトンを求めて青魚や小魚達が集まります。
青魚や小魚を求めて、所謂フィッシュイーターが集まります。
ざっくり言うと、こういうサイクルで北条湾には様々な青魚や青物が集まるのですが、一番のポイントは植物プランクトンで、植物プランクトンは光合成をする必要があるため、海面の表層付近を漂います。
この植物プランクトンが起点となり、各々が求めるエサが必然的に表層付近に集まります。
魚達には適温とされる海水の温度には上限があります。
この日のように28.5度ともなると、青魚や青物と呼ばれる魚達の、適温の海水温の上限は超えており※、仮にエサを食べるためであっても、常にこの海水温の層にいることはありません。
※その種での違いはありますが、一般的に青魚・青物の適温の海水温の上限は24度~26度くらいと言われています。
前回の釣行時の海水温は26度でした。
釣りを開始します。気温26度、天候は晴れ、風は1m?2mほど、海水温は26度です。海水温が高めなのが気になります。風が幾分あるので暑がりな私でもタオルを頭にねじらずに済んでいる感じです。釣り人はそれなりにおり釣り座は埋まりつつあります。イーターの気配もなくツイート時点では非常に静かです。 pic.twitter.com/Y0QgIlpIWF
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) July 29, 2023
ここ1ヶ月ほど、釣りに行く度に海水温が上がっており、ずっと懸念しておりましたが、一時的にでも下がることはなく、とうとうこの日の28.5度という温度に到達しました。
十数年北条湾に釣りに通っていて初めて見た海水の温度です。
先ほども申し上げましたが、表層付近から海底付近、上から下まで全て同じ海水の温度ということは有り得ず、基本的には水深が深くなればなるほど海水の温度は下がります。
こういう状況の時に、プランクトンを求めてやって来る青魚や小魚達はどういう動きをするのか…
考えられることは自分達(青魚)の適温とされる海水の温度の層まで潜る…(水深の深い層を泳ぐ)
北条湾から出る…
大まかにこの二つが考えられます。
実際はどうだったのか…この日の釣行で見ていきたいと思います。
この日もTwitterのフォロワーさんのお子さんに釣りをレクチャーすることもあり、様子見を兼ねて少し早めに現地に赴き、午後4時頃から釣りを始めました。
ただでさえ、うだるような暑さでやる気が出ない状況で、更にテンションを下げてくれるこの方がまず釣れます。
異常な海水温でもこの方はいました。ネンブツダイです。 pic.twitter.com/XhliBVAb6C
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
前回の釣行に続き、この日もここからが長かったです。
マズイです…久しぶりのボウズの予感がしてきました。マジで何も釣れません…w
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
マヅメ時を過ぎ、日没の時刻になっても一向に青魚のアタリすらありません。
陽が出ている間は、大群でコノシロの群れが北条湾内に入って来ていました。
良くご覧頂くとかなりの数の群れで激しく跳ねてます。先程、足元に一度だけ群れが来て目の前で跳ねましたが、恐らくコノシロですね。 pic.twitter.com/GsT8eldzrN
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
良くご覧頂くと、あちらこちらで水しぶきが上がるのですが、これはコノシロが飛び跳ねている様子で、根拠があるわけではなく、私の想像の域を出ませんが、恐らくコノシロはエサとなるプランクトンを食べていたんだと思いますが、高い海水の温度を嫌い飛び跳ねていたと思われます。
ナブラに代表されるように、魚は往々にして自身に身の危険が及ぶと、海面から飛び出す行動を良くします。
エサは食べたいけど、自分達にとって居心地の悪い海水温に反応し飛び跳ねていたと思われます。
前回の釣行で、嫌というほどコノシロは堪能したので、敢えて行きませんでしたが、恐らくコノシロの群れが寄っていた、北条湾の深部に行ってサビキ釣りをすればコノシロは入れ食いだったかもしれません。
そして、もう一つポイントがありまして、どうしてこの日のコノシロの群れは、北条湾の最深部に集まっていたのか…
コノシロは海の食物連鎖で言いますと、所謂青物などよりは下の階層に位置し、イワシなどと同じフィッシュイーターとして他の魚を食べるのではなく、自らが捕食される側の魚です。
この手の魚は、敵に追い込まれ易い狭い場所などを嫌います。
しかし、この日コノシロの群れがいたのは、北条湾の最深部。
万が一、フィッシュイーターがやって来れば、あっと言う間に追い込まれ、下手をすれば一網打尽にされ兼ねない場所です。
そんな危険な場所になぜ…?
恐らく、北条湾の深部の川の影響で、幾分海水の温度が低かったことが考えられます。
極力、自分達がストレスを感じない場所で食事をしたい…そこで行き付いたのが、リスクはありますが海水の温度が低い北条湾の深部だった…ということだと思われます。
そして、トドメはこちらの状況なのですが、かなりの大群でコノシロの群れは北条湾内にいましたが、前回の釣行時はコノシロ祭りが開催されるほど爆釣れ!だったコノシロがこの日は1匹も釣れませんでした。
あれだけコノシロがいたのに今日は一匹も掛かりません。 https://t.co/LvZ07yn4HB
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
少しでも海水の温度が低い場所を求めて集まっていた…ということの表れで、それがこの日は北条湾の最深部、通常はエサを食べる時に一定の範囲で北条湾内を回遊しながらエサを食べますが、広範囲に回遊はしておらず湾深部の極限られた狭いエリアだけを回遊していたと思われます。
そして、日没からおよそ20分後、ようやくアジがヒットします。
一応、アジがきました。 pic.twitter.com/PTpjG9E6PN
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
このアジが釣れたことで通常であれば北条湾内にいてもおかしくない青魚や小魚達が、北条湾から出ておりエサを食べる時だけ湾内に入って来ていることがハッキリしました。
アジが釣れるまで、タナを変え全ての層でサビキ釣りをしてみましたが、1回もアタリはありませんでした。
そして、ムツもヒットします。
ムツがきました。 pic.twitter.com/VPoQkWfUHr
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
釣れれば、今シーズン寄っているムツっ子のサイズはかなり大きく、食べても美味し魚なのですが、如何せん群れの数は少ないと思われます。
サビキ釣り終了をお知らせしてくれるこの方もヒット。
お呼びでないクサフグです。 pic.twitter.com/oYXq5xK8WT
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
クサフグが釣れた時は、ほとんどアジのアタリはなくなっており、最初のアジが釣れてから20分ほどでアジの活性の高い状況が終了…というよりも、再びアジは北条湾から出て行ったと思われます。
最初のアジが釣れるまで、タナを変えてみたり、アジに有効なサビキ仕掛けに交換したり、出来ることは全てやり、且つコンスタントにネンブツダイは釣れていたことなどから、魚全体の活性は決して低くはなくアジの群れがいればネンブツダイ同様に釣れていたと思います。
しかし、この日は日没前にアジは釣れませんでした。
日没前にアジの群れは北条湾内にはおらず、日没後極短時間だけアジの群れは北条湾に現れた…ということだと思います。
もう少し粘ってみますが、釣れないので皆さん続々と帰り始めましたね…
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
前回の釣行時も同じでしたが、未明から釣りをしていて、あまりにネンブツダイしか釣れないので、日の出前に撤収する方がかなりいました。
それくらい、釣れる時間は極短時間で、そもそもアジを始めとするウルメイワシの群れなども、ほとんどの時間帯で北条湾内にはおらず、お食事タイムの一瞬だけ湾内に入って来る…こういう動きをしています。
今の北条湾は釣れないわけではありませんが、釣れるタイミングを読み誤ると全く釣れない可能性が高く、ビギナー向けの釣り場とはお世辞にも言い難いところです。
当たり前の話なんですが、魚が1匹もいない釣り堀で釣りをしているのと何ら変わりません。
ブログ執筆時点で、語弊のある物言いになってしまいますが、久しぶりに本州に直撃しそうな台風7号に期待をしています。
台風が直撃しなくても良いですが、数時間暴風域に入り、北条湾内の海水がシャッフルされるだけでも、状況は改善されると思われます。
台風の進路が変わったり、台風の影響であまり改善されなかったりするようなことがあれば、恐らく8月いっぱいは今のような非常に釣りにくい状況が続くと思われます。
そして、この日の釣果はこんな感じになりました。

ボウズこそ免れた感じで、あまり長い時間釣りをしない私が約5時間釣りをしてこの結果です。
悲惨です。w
こちらは一応釣れた魚種です。

ご説明は不要かと思いますが、上がアジ(マアジ)、下がムツです。
サイズは共に18cmほどです。
釣果がこの悲惨な状況なので、当然人間用の魚料理はありません。
何とかギリギリ我が家の兄妹猫の1回分の食事が作れた感じです。
兄妹猫の、我慢させてしまった遅めの夕食は釣果全て、ムツとアジを焼いてあげました。アジは週を負う事に成長しています。アジはそれなりに太っており、脂感も抜群で熱々のご飯にのせて醤油を少し垂らして食べたいくらいでした。https://t.co/qrcI365B1H pic.twitter.com/S4CxjUq8Ci
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 5, 2023
調査も兼ねていましたが、普段よりもかなり粘って釣りをしてしまったので帰宅が遅くなってしまいました。
兄妹猫にはご飯を待たせてしまい申し訳なく思いました。
昨日の兄妹猫の夕食はムツとアジを焼いてあげました。微妙に量が多くなってしまい久しぶりに妹猫がご飯を残し、これまた久しぶりに兄猫はしっかりとした身のお残りにありつけました。お残りにありつけたからか、最後は入念にチェックをし大人しく寝床へ帰って来ました。whttps://t.co/Dc8THAfplN pic.twitter.com/7jsKC7KoMl
— 【神奈川県】リアルタイム釣行記 @ Koichi Otsuka (@kic_iwashi) August 6, 2023
例年の今の時期ですと、日中を含めいつどんな時間にサビキ釣りに行っても、何がしかの青魚が釣れるのが北条湾なんですが、今シーズンは全く違い、北条湾という場所と魚を良く理解していないとボウズもあり得る状況が続いています。
ネタバレ的になってしまいますが、本記事を執筆しているのが2023/8/12で前日の8/11の山の日に釣りに行って来ました。
短時間しか活性が上がらない…魚が北条湾内に入って来ない…この状況に変わりはありませんでしたが、長潮にも関わらずそれなりに釣れ、次の釣行記事では良い情報もお知らせ出来ると思います。
なる早で釣行記事をまとめますので、今暫くお時間を下さい。
次回の釣りは上記釣行で、その次は中一日空けて8/13に釣行予定です。(本記事執筆時が8/12です)
潮回りは中潮と潮の動きに問題はなく、あとは台風の影響がどの程度出ているか…で釣りに行けるか行けないかが決まる感じです。
最悪釣りはしなくとも、現地に赴き北条湾の様子や海水の温度などを計り状況をTwitterにてお知らせ致します。
また、ご報告させて頂きます。
※この日は帰路に着くのが遅くなってしまい、普段リンクを貼っております北条湾岸壁、花暮岸壁の様子を撮影した動画はありません。悪しからずご了承下さい。

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