意外な避難民
東日本大震災で被災した福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で飼育されていたトドなどが、緊急避難先の「鴨川シーワールド」(千葉県鴨川市)で、元気を取り戻しつつある。
アクアマリンは津波で機械設備が故障。非常電源用の重油もなくなり、飼育が困難になった。このためトドやセイウチ、ゴマフアザラシなど海獣7頭が、東京・上野動物園など4施設に分かれて預けられた。
鴨川に17日に運び込まれたトドなどは食べる餌の量が減っていたが、避難生活に慣れてきたのか食欲が回復した。担当者は「動物たちも自宅に帰れるよう、一日も早い復興を願っています」。

(毎日新聞)
■被災のセイウチ「ホッ」鴨川シーワールドに避難
東日本大震災で深刻な被害を受けた、福島県いわき市小名浜の水族館「アクアマリンふくしま」からセイウチ、トド、ゴマフアザラシなどが17日、千葉県鴨川市の鴨川シーワールドに「避難」してきた。
アクアマリンでは、津波の影響で機械装置が海水につかり動かなくなった。魚類はほとんど死んだが、生き残った海獣類や鳥類は他の動物園、水族館が引き取ることに。鴨川の飼育担当者らが大型トラックで3/16、3/17にいわき市まで2往復、約6時間かけて鴨川まで運び込んだ。
セイウチ2頭は、オス800キロ、メス500キロの巨体。トドが3頭もいて、大きな雄は500キロ近い。ゴマフアザラシもオスとメスの2頭。ユーラシアカワウソと海鳥のエトピリカ、ウミガラスなどは、上野動物園や葛西臨海水族園に引き取られた。
荒井一利館長は「うちも飼育スペースに余裕があるわけではないが、緊急避難として受け入れた。今後のことはこれから考えます」と語り、無事に着いた海獣たちにホッとしていた。

(朝日新聞)
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