ここのところ、釣行記事以外に北条湾において、青魚の集まるポイントや川から流れ込む真水の影響などについてお話しをさせて頂きました。
北条湾においては、青魚をサビキ釣りで釣るために、もう一つ大事なことがあります。
以前にも、同じような内容の記事を書かせて頂きましたが、ここのところ急激に釣り専用で使っておりますTwitterアカウントをフォローして下さる方が増えたことなどもあり、改めてまとめさせて頂きたいと思います。
北条湾という湾は潮の流れ(海水の流れ)が緩やかで、海水が滞留し易い湾だということを常々お話しさせて頂いていると思います。
こういう海域は、非常に波も穏やかで海が澄み易い特徴があります。
実際に北条湾で釣りをされた方などは、バケツで海水をすくったことがあると思いますが、非常に透明度が高いと思います。
海水の透明度が高いからこそ、青魚の群れが目視で良く見えるのですが、これは逆に魚達も周りの状況が良く見えているということになります。
本題に入る前に、雑学的ではありますが、そもそも魚は色を識別出来ているのか…?
ちなみに、我が家にもおります猫は、赤色を識別出来ません。
青色系と緑色系しか色を見分けられないので、赤系の色はくすんだ灰色に近い色に見えていると言われています。
魚と猫を比べれば、魚の方が下等動物なので、もっと色を識別出来ていないように感じますが、実は魚はハッキリ人間レベルで色を識別出来ています。
ただ、全ての魚というわけではなく、洞窟の中で生活している魚などは、目そのものが退化して無い魚もいます。
逆に深海に生息する魚などは、少ない光量を確実に捉えるために目が大きく発達した魚もいます。
こういう特殊な場所に生息している魚ではなく、光がしっかり届く範囲に生息している魚のほとんどは、上記で申し上げましたように人間レベルで色を識別出来ます。
当然、北条湾に居る青魚も例外ではありません。
大半の魚は嗅覚と視覚でエサを判別し食べています。
ということは、北条湾に居付いている青魚も臭いと目でエサを探し食べているわけですが、先ほど申し上げましたように北条湾は海が澄み易いです。
海が澄んでいるということは、魚達もハッキリエサが見えているわけです。
実はこれが北条湾でのサビキ釣りで一番の難関と言っても過言ではないことなんです。
魚達が海の中のものが良く見えるということは、釣り糸も釣り針も疑似餌も全て魚達に見えているということです。
そして、北条湾に真冬にマイワシが居付くようになって10年近く経ちます。
その間に魚達もスレてきて※、年を追う事に少しずつ釣りにくくなっています。
※スレる=慣れる・見分けられるようになるの意
こういったこともあるので、釣行日の潮の動きを良く見て、活性の上がるタイミングを見逃さず、海の中の状況に気を配ることが非常に重要になってきます。
ここまではザックリとですが、北条湾の青魚は色をしっかり見分けられ、目でしっかりエサを見ている…という事をご理解下さい。
次は、北条湾の青魚達が反応する色についてお話し致します。
魚というのは、同じ種でも生息環境で体色や反応する色に大きな違いが出ます。
海底が泥なのか砂なのか、砂利なのか、岩礁地帯なのか、周辺に海藻が生えているのか、生えているなら何色の海藻なのかなど、様々な要素で大きく変わります。
これは、どういう地形でどういう環境かということで、青魚達が食べるエサが変わってくるので、自ずと反応する色に差が出てきます。
例えば、海藻が生い茂り、たくさんの海洋生物の産卵場所になっている場所などは、その卵や幼生の色に近い色に反応します。
また、アミ類など小さな甲殻類などが多く生息する場所の場合は、甲殻類の代表的な色である赤色やピンク色に反応するようになります。
では、北条湾では何色に反応するのか…
私は以前からピンクスキンのサビキは使うな…と申し上げてきましたが、そもそも北条湾にアミ自体が生息しておらず、海底は砂で海藻もほとんど生えていません。
だからピンクスキンはダメなの?
アミコマセのアミと同じ色をしてんじゃん?
実際にコマセを撒くと寄ってくる時もあるじゃん?
と、思われると思いますが、アミコマセのピンク色に反応してコマセを食べているわけではなく、臭いと緑色に反応して食べているんです。
アミコマセは夜間海中に投下したり、ブラックライトを当てたりすると蛍光の緑色を発色します。
この蛍光の緑色というのは、アミコマセのアミだけではなく、海の中の生物の多くが発する色なんです。
オキアミ、虫餌のゴカイ、イソメ類なども千切ると体液が蛍光の緑色です。
また、イカ類の幼生、動物プランクトンも蛍光の緑色を発色する種がたくさんいます。
北条湾にはこの蛍光の緑色を発色する、エサが豊富なので蛍光の緑色に反応します。
そして、ここからがこの記事のタイトルに一番近い内容なのですが、北条湾の青魚に限らず青魚は全般的に光りの反射、瞬間的に光る反射光に反応します。
ただ、何でもかんでも反射する光に反応するのか…というとそうではなく、北条湾にいる青魚は白色系、銀色系の光の反射に反応します。
これは、恐らくこの海域にいるエサとなる稚魚などが太陽光や街灯で反射する光が白色や銀色系の色で反射するからだと思われます。
街灯などが無い場所の場合、反射光よりも自発的にエサとなる生物が出す色への反応が強い場合が多いです。
北条湾の場合、日中は元より岸壁の大半に街灯があるので、より反射光への反応が強いと思われます。
ここまでは、ザックリとですが北条湾にいる青魚が臭いと光りに反応するということをご理解下さい。
先ほども申し上げましたが、北条湾は非常に海水が透き通っています。
コロナの第三波が押し寄せ、釣り人が急に増え、北条湾岸壁周辺に青魚の群れが寄らなくなったことと同様に、海の水が澄んでいるので、魚達からサビキ仕掛けも良く見えます。
北条湾で使うサビキ仕掛けはシンプルなものが一番です。
集魚板やコマセカゴやコマセ網、ピンク色のスキン等、余計なものが付いていると、青魚が違和感を覚えその仕掛けがある場所を避けて回遊するようになります。
では、実際にこれをどう北条湾でのサビキ釣りで活かすのか…ということですが、同じ青魚でもアジは海中で同じ場所に留まり続けることが出来ます。
しかし、サバやイワシ類などは常に泳ぎ続ける魚です。
基本的にコマセは撒かず、銀色や白色系のトリックサビキをお使い頂き、エサを食わせるのではなく、光りの反射に反応してしまう青魚の習性を利用して釣ります。
トリックサビキでも、ガッツリサビキ仕掛けにアミコマセを付けようと思わなくて大丈夫です。
アミコマセの中を潜らせる程度で、十分撒き餌の効果はあります。
臭いにつられて寄って来た青魚を、サビキ仕掛けの針の反射で釣る…みたいなイメージです。
そして、投げサビキに関しましては、そもそも投げる行為がサビキ仕掛けや飛ばしウキ、オモリなど仕掛け全体が着水する音で群れが散ります。
北条湾は決して青魚達にとって良いことばかりが揃った環境ではなく、度々お話ししていますが湾自体が細長くウナギの寝床のような地形なので、フィッシュイーターに追い込まれ易い場所なんです。
それゆえ、青魚達は非常に神経質になっており、音や強い光などを嫌い、その状態が続くと今回のように今まで回遊して来た場所※を避けるようになります。
※製氷所の辺りからダイブセンターの前辺りまで
これは実際に釣りをするサビキ仕掛けにも同じことが言え、青魚達が違和感を覚えたり、警戒心を抱かせるような仕掛けをお使いになると、その仕掛け周辺だけ回遊しなくなります。
北条湾での冬場のサビキ釣りは、食う食わないが露骨にハッキリしており、活性が上がっている時間も短い傾向が強いです。
活性が高く入れ食い状態の時は、この記事の内容ほどシビアに釣りをしなくとも釣れると思いますが、活性の上がり方がイマイチな時などは、今回お話し致しました青魚の習性を利用する釣り方をした方がよろしいかと思います。
そして、24時間のうちで活性が上がっている時間は極僅かです。
ピンポイントでその時間帯を読むことも難しいと思います。
こちらは2021年1月17日の釣行記事です。
この記事内に活性が上がり易いタイミングを簡単にまとめてありますので、宜しければご一読下さい。
活性の上がるタイミング、青魚の集まる場所、川からの真水の影響、そして今回の青魚の習性を利用した釣り方、これが網羅出来れば、北条湾にサビキ釣りに行ってボウズ…ということはなくなると思います。
最後に、私が現在使っておりますサビキ仕掛けについて、少し解説させて頂きます。
北条湾において、一番効果がある仕掛けがこちらです。

こちらは銀色の針のみで、非常にシンプルなトリックサビキです。
このサビキ仕掛けは、もう数年使い続けていますが、北条湾では群を抜いて一番釣れます。
ただ、この冬の場合、今今寄っている青魚のメインがマイワシであり、そのマイワシのサイズが20cmオーバーが多く、釣れる魚が20cmを超えてくると、ハリスも短く針と針の間隔が狭いため、釣れた魚が他の針にも絡みサビキ仕掛けがグチャグチャになり何度も交換しなければならなくなる…という欠点があります。
そこで、釣れる魚のサイズが20cmオーバーの場合に使っているサビキ仕掛けがこちらです。

シラスに似せた白色のスキンが付いていますが、私はトリックサビキ同様にアミコマセの中を潜らせ、簡単にアミを付けて使っています。
過去にはワカシやセイゴなどもこの仕掛けで釣れました。
シラスに似せたスキンの効果があるようで、メバルなども良く釣れます。
最後の仕掛けはこちらになります。

こちらのサビキ仕掛けは、同じ青魚でもサバやイワシ類ではなく、アジを狙う時に使っています。
チモトに蛍光の緑色の塗料が塗布してあり、針も金色と銀色が交互になっています。
アジは同じ青魚でも光りの反射に対しての反応は鈍く、泳ぎ方も他の青魚と違うのでじっくりエサを見て食べます。
そいうことから、エサとなる生物が発色する色が付いている方が有効です。
この三種類のサビキ仕掛けですが、昨今のコロナ禍で釣りをする人が増えた影響か、自宅近くの大手釣具店でも常に売り切れ状態が続いており、去年の夏以降は各30枚程度をまとめて発注しています。
納期は1ヶ月半~2ヶ月程度です。
余談ですが、ルアーやフライ、餌木を使った釣りの場合、ヒットを連発させる人の多くは、この魚が好む色を良く理解している人が多いです。
その時々の状況に合わせて、魚目線で考えているからだと思います。
昨今は、パワーイソメなどのワーム類も種類も豊富でたくさんの商品が売られています。
また、ルアーや餌木の類も同じように様々な商品がありますが、いろいろあり過ぎてどれを買って良いのか分からなくなると思います。
そいった場合に、一番肝要なことは臭いと色です。
ご自身が釣りに行かれる場所で、どんな釣りをし、どんな魚を狙うのか、またその場所はどういった場所なのかなどの、複合的な要因を踏まえて魚の気持ちになって選ぶクセを付けると、自ずと釣れる釣り師になっていくと思います。
サビキ釣りも、どちらかと言えばエサを食わせて釣る釣りではなく、ルアーや餌木を使った疑似餌で釣る釣りに近いです。
それゆえに、お使いになる仕掛けはしっかりと選んだ方が賢明です。
週末に向けて寒波が…としきりに天気予報で言っておりますが、次回は釣りに行きたいと思っています。
釣行の際はまたご報告させて頂きます。
■2021年版 北条湾に於いてサビキ釣りでの要点まとめ
・北条湾内でのサビキ釣りで狙う青魚が集まるポイント
・北条湾内において雨や真水による青魚への影響について
・北条湾の青魚は魚の習性を利用して釣る
・活性の上がり易いタイミング
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いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
お役に立てたようであれば何よりです。
今頃はテンション高く、心が弾んでいる時でしょうか。
ちなみに、天気予報のサイトについてなんですが、特に風速についてですが、建物や山などを考慮していない風速を表示しているサイトと、市街地(建物等をある程度考慮)を想定して風速を表示しているサイトがあります。
ウェザーニュース(WNI)の場合、おそらく前者で北条湾の風速と実際に異なることが多いと思います。
私はtenki.jpを参考にしておりますが、こちらは予測の風速と実際の風速にあまり相違がありません。
Tenki.jp(三浦市)
https://tenki.jp/forecast/3/17/4610/14210/3hours.html
北条湾は周りを崖に囲まれたような場所にあり、北条湾の場所だけくぼんでいます。
また、真正面(西側)には城ケ島もあり、海岸のような場所よりは風の影響を受けにくい場所です。
製氷所の前は、ビル風のような城ケ島と本土の間をすり抜ける風で、風向きによっては逆に風速が強くなる場合がありますが、北条湾内の場合奥へ行けば行くほど風の影響は弱まります。
海岸や外海面した場所での釣りの場合、ウェザーニュースやサーファー向けの天気予報のサイトが良いですが、入り組んだ釣り場や風下に当たる場所などの場合は、市街地の風速を参考にされた方が良いと思います。
ただ、北条湾の場合は北東や北風の場合は、崖(山)から下ってくるような風の吹き方になるので、この風向きの場合は逆に風速が強くなることがあります。
何れにせよ、風が強い際は十分ご注意下さい。
特に、北条湾の深部の場合は、岸壁も狭く近くに電線などもあり、道路とも近い上に見えないだけで、足元には係留ロープがたくさん中途半端な状態で沈んでいたりします。
ここのところ、北条湾の深部でサビキ釣りをする方を多く見掛けるようになりました。
このあたりも何れ影響が出てくると思っています。
北条湾に到着しましたら、まずいろいろ見て回った方が良いです。
今まで通り、北条湾の深部にマイワシが居れば必ず大群の群れが目視で確認出来ます。
群れが確認出来ない場合は何がしかの理由で群れが散ってしまったか、違う場所に集まっていると思います。
大漁になることを祈っております。
今後とも、よろしくお願いします。
> こんばんは。
> コメントという域を超えた詳細の解説
> ありがとうございました!
>
> 日曜の未明から早朝にかけてみようと
> 思います‼︎
>
> あとは風ですね…。
> WNIの予報だと、日曜の3時までは12m、
> 以降は収まる方向のようですが、
> 9〜6mとまだかなり強そうですので。
>
> もうしばらく予報を注視します。
>
> 以上、ありがとうございました。
>
> 追伸
>
> まだ会社から帰宅する電車の中ですが
> 久しぶりの釣行にワクワクしてマスクの
> 下でニヤニヤしてしまいました笑
> ただただ、楽しみです!